いつかスリムになって戻ってくると信じている

プロ野球の話だけれども、僕はある青い球団をずっと応援している。一瞬輝いた瞬間のあとの長い暗黒時代もあった。あの頃はたくさん応援したはずなのに、何も覚えていない。そのくらいひどかった。Love&Joyをライトスタンドで踊り狂うだけで、負けるのが日常だった中高大の学生時代も今や遠い昔の話だ。親会社が代わり、最初はまぁ負けまくったけど、今までと確かに何か違うぞという感触を得始めた時期に彗星のごとく現れて新人王を獲得した守護神がいる。彼のおかげでリードしている試合を勝てる期待を持って観戦することができるようになった。暗黒を払拭する象徴的な存在だ。

日本シリーズに行ったときも彼がいた。球団から出ていった因縁のバットマンに同点弾を浴びて力尽きたけれども、あの試合はシビレた。アイツにアレを打たれたならしょうがない。素直にそう思えた。贔屓目に見ても、ポストシーズンにやたら強いあの球団を追い詰めることに成功した唯一の球団だと思っている。

そんな彼が、徐々に打たれるようになってしまった。慢心、過食、勤続疲労、打者に見切られた、などなどあらゆる憶測が飛び交うが、どれも間違っていないように聞こえてしまう。

これは僕の推測だけれども、体力に起因する不調が続いた時期にチートデイのようにことをしてしまった結果、一気にリカバリが進んだ上にストレスからも開放されてよい結果が出せてしまった期間があったのかもしれない。 彼にとって不幸なのが、これが全てだと思い依存してしまったことだと思う。今ではストレスから開放される手段が食事しかない状況だと思う。エルビス・プレスリー過食症になったのと似ている。

こういった推測から、以下のような人材問題が浮かび上がる

  • 球団に彼(含め選手)のストレスをマネジメントをする人がいない(首脳陣やコーチに丸投げ)
  • 体力がもたないのではなく回復が追いつかないことを示唆できるトレーナーが不在(首脳陣やコーチに丸投げ)

一見すると僕の大好きな青い球団は、さすがIT企業と思わせるような、データを使って最先端のことをしているように見える。でもトレーニングの効果に対する裏付けのように地味な作業が進んでいないため、トレーニングが昭和のままにしか見えない。設備は充実していても、やればいいって状態で理論がついてきていない。先進的なことに取り組んでいるIT企業なら地味なことの積み上げがいかに重要なのか知っているはずなのに、そういった思想がまるで共有されていない。 プロ野球選手は個人事業主だからというのもあると思うけど、それを契約(インセンティブ)で縛ることも可能なはずなのに取り組まない。テッペンを取れなくて当たり前だ。

例えば、陸上部と例えられるようなトレーニングだ。走り込みによって得られる効果が幅広く大きいから走ることを否定はしない。でも、とりあえず走っておけば大丈夫という浅はかなトレーニングではいけない。例えば、膝や腰の負担を考えているのだろうか?インターバルトレーニングは走り込み以外でも実施可能なはずだ。陸上部を持っていたメリットもまるで活かせていない。

でも、いつか、僕の大好きな青い球団は今の間違いに気づいてくれると思う。そのとき僕らの守護神が、いつかスリムになって戻ってきてくれるはず。スリムになる理由は、痩せるためにトレーニングしたからではなく、パフォーマンスを最大限に発揮するためのあらゆるトレーニングした結果であるはずだ。そうなればきっと優勝できる。