引き足にハムストリングは(あまり)使われない疑惑

引き足=ハムストリングという思い込み

ロードバイクに乗り始めた頃からずっと、筋肉は収縮しているときに力を発揮するって先入観もあって、

って二元論的に思っていた。 二元論は大抵正しくないって経験則のご多分にもれず、最近はこの説が誤っていると考えている。それに思い至った経緯(なぜかイチローとミートグッバイが出て来る)を書き出すと長いからそのうち書くとして、とりあえずサマリだけ先に書いておく。

!注意!以降はあくまで、私見です

引き足を分解する

引き足と一言に行っても、少なくとも膝から下を捲く動作と太ももを上げる動作の二つに分解することができる。(生理学的にはもっと色々な機能があるのだろうけど、調べだすと収集つかなくなるのが目に見えているので割愛する)
この二つの動作の中で、ハムストリングを使いそうなのは膝から下を捲く動作くらいだ。とはいえ、ハムストリングはデカい筋肉だから捲く動作しかしないのはちょっと無理がある。太ももをその構成要素であるハムストリングが持ち上げているなんていう論も、よく考えるまでもなくファンタジーだ。自分で自分の襟首つかんで持ち上げると浮き上がるって言っているようなもんだ。
だから実際は、

  • 腓腹筋とハムストリング少々の併用で膝下を巻いている
  • 太ももは腸骨筋がメインとなって引き上げている

って考えるのが正しそうだ。

筋肉の作用する方向3種

筋肉が発揮する力は

  • 収縮
  • 伸張
  • 維持

の3種類に分類できる。中でも、ハムストリングは伸張に秀でた筋肉なんだとか。走塁中の野球選手のハムストリングがミートグッバイするのをよく耳にするので、すんなりと腑に落ちる。

ハムストリングは踏み足で使うという推測

上の二つだけでも、ハムストリングは引き足ばかり司っているわけではなさそうだということが伺える。さらに言うと、踏み足で使うのがハムストリングっていうことも推測できる。個々の感覚がどうであれ、最も大きな推進力を生み出すのは踏み足だという話と組み合わせると、ハムストリングが推進力の源だということになる。 そう思って、pedal stroke hamstrings でググったらと下の記事が出てきた。この論、だいたい合っているぽい。

www.bikejames.com

2018/08/19 追記 ハムストリングは踏み足で使うというのは正しそうだけれども、このハムストリングが推進力を生み出すという部分に関して言えば間違いっぽい。なぜかというと、筋肉は収縮時のみで出力を得られるが、伸長時は出力を得られないからだ。関節を外さないように拮抗筋として機能するときに大きな力を発揮するのであって、推力となる力を出力をしているわけではない。

引き足とハムストリングの組み合わせについて

とはいえ引き足とハムストリングという組み合わせはけっこう良い組み合わせに思える。 引き足を改善するために、ハムストリングを鍛えたら速くなったっていう話があるけど、その実態は、(おそらく)収縮が苦手なハムストリングを収縮方向に意識することで筋肉を効率よく鍛えることができ、伸張でも大きな推進力を得られるようになった。ということなんだろう。結果オーライ。勝てば官軍。